一般的にシリコンシャンプーはコーティング剤が入っているからノンシリコンシャンプーが良いと思われる方が多いと思います。
基本的にシリコンが入っているか入っていないかで言うとノンシリコンシャンプーの方が頭皮に優しく毛穴を詰まらせる原因になりません。
でもちょっと待ってください、ノンシリコンシャンプーっていうとなんだか頭皮い良さそうってイメージですが実は全くそんな根拠はありません。
地肌に優しいシャンプーとは配合される成分が肌に優しいと言うポイントでしかありません。
そこで今回はなんでノンシリコンシャンプーが頭皮に良くてシリコンが頭皮に悪いというイメージになってしまったかをお話します。
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この記事の目次
シャンプーの歴史
昔の日本ではシャンプーをするという文化がありませんでした。その為平安時代では洗髪をするという事は1ヵ月に1度ぐらいでした。
有名な紫式部や清少納言も1ヵ月に3日休暇を取り1日目に洗髪をし2日目で天日干し3日目で髪結いをする事が有名です。
この当時はもちろん石鹸やシャンプーなどがなく米のとぎ汁や灰を水に溶かした物を使用していました。それから時代は流れ江戸時代でも同じでした。
昭和初期時代ではまだシャンプーと言う物がなく石鹸で髪の毛を洗うという文化でした。
この時代では石鹸で髪っておりとてもギシギシになったり頭皮の油分を奪う為アルカリ性に傾いた髪の毛を引き締めようとお酢でリンスをしていました。
これが現在の日本独自のリンスという商品になる要因でした。この当時も髪の毛を洗うという事は1週間に2回程で毎日するものではありませんでした。
日本で初めて出来たシャンプーは1926年の事です。この当時はまだまだシャンプーはとても高価な物で庶民にはあまり無縁であまり売れなかったと言われております。
所が1950年頃この頃からオイルショックなどが後押しして合成洗剤で出来たシャンプーが登場しました。合成洗剤はとても作るのに安価で出来るので安くシャンプーが手に入るという事で爆発的にうれました。
シャンプー業界はこれに後押しするかのように『毎日シャンプーをしないのは不潔だ』とか『朝シャンで毎日綺麗に』と言うCMや広告を打ち出して現在のように毎日シャンプーをするのが当たり前と言うようになりました。
髪の毛のダメージとシリコン
シャンプーが発売され80年以上立ちましたが現在のシャンプー事情は少し変わってきました。
それは、カラーリングやパーマなどのオシャレを楽しむ方が増えてきたからです。
カラーリングやパーマをしていない髪の毛はシャンプーなどの洗浄力の高いシャンプーで洗っても多少大丈夫なのに対してカラーリングやパーマをした髪の毛はキューティクルが損傷しているのでシャンプーによるダメージが懸念されてきたからです。
そこでシャンプーにコンディショニング成分を入れるようになってきました。それがシリコンです。
コーティング剤のシリコン
シリコンは石油から作られる鉱物油ですがとても優秀で髪の毛をコーティングしてくれ損傷したキューティクルをカバーしてくれるのです。
シリコンの種類はジメチコン・シクロメチコン…と名称は様々でシリコンの種類も様々です。
シリコンの優秀な所はとてもコーティング作用が強く使用すると『つるつる』『サラサラ』になる事です。
特に髪の毛のダメージで気にしている方には欠かせないシリコンで、美容界で初めて『洗い流さないトリートメント』でシリコン系の物が販売されたときは爆発的に売れました。
どんなダメージ毛でもシリコンを使用すると誰もが効果を実感できるコーティング剤がだったのです。
シリコンを多用する事での問題
シリコンを配合したシャンプーやトリートメントが販売されるようになってから私達美容師からするとある問題がうまれました。
適切にシリコン系の商品を使用していれば問題が無いのですがシリコン多様するとカラーリングやパーマがうまくできないという事です。
通常カラーリングであれば傷んでいる所にはすぐ薬剤が入るので時間を短く起きます。
パーマであれば弱い薬剤を使用します。
でもシリコンを多用していると思ったより髪の毛に薬剤が反応しなくうまく技術が出来ないのです。
そこで私達美容師は『市販のシャンプーはシリコンが多いので美容室のシャンプーを使ってください』とシリコンを悪役しした事がシリコンシャンプーを批判していたのです。
美容室のシャンプーはシリコンが入っていないから髪の毛に良いですって言って販売していた時期は2~3年程ありました。
そんな時に急に市販のシャンプーで『ノンシリコンシャンプー』が販売したときは衝撃的でした。
私達美容師が市販のシャンプーとの区別を簡単にしてもらえるように言っていたフレーズは市販のシャンプーに取られた瞬間でもあります。
この『ノンシリコンシャンプー』の登場で私達美容界は結構な打撃を受けしばらくシャンプーがあまり売れない時期もありました。
シリコンは毛穴がふさがる要因
シリコンで頭皮の毛穴がふさがるというのは全くのでたらめです。なぜなら私達の皮膚は毎日細胞分裂を繰り返し常に新しい細胞が表面に出てくるからです。
頭の毛穴を塞ぐ原因は4つ程あります。
- シャンプーの洗い流し
- ワックスの残り
- 毎日シャンプーをする
- 生活習慣の乱れ
1・シャンプーの洗い残しが原因で頭皮が詰まる
まず、シャンプーとリンスの原理から言うと実は洗うという以外にもある目的があります。
それはシャンプーで洗う事により髪の毛をマイナスイオン化してプラスイオンのリンスを科学的に吸着させるという物です。
ですから、リンスは厳密にいうと髪の毛に張り付きお湯洗い程度では髪の毛から剥がれません。
なんだか『ぬるぬる』している方が髪の毛がツルツルになると思っている方は注意が必要です。
それはただ単に髪の毛の表面に余分な成分が残っているだけです。そんな状態が続くと頭皮の毛穴を塞ぐ要因ですし頭皮が匂う原因にもなります。
参考:頭皮と髪が臭い原因と対策
2・ワックスを使用する事が原因で頭皮が詰まる
皆様はスタイリング剤やワックス・洗い流さないトリートメントと様々な物を使用していると思いますが実はこのスタイリング剤は髪の毛に強力に吸着します。
ですから、シャンプーを1回や2回したところでは落ちません何度もシャンプーをしなければ落ちないのです。
ワックスやスタイリング剤が残るだけでなく頭皮が乾燥する原因とシャンプーの関係でも書いたように頭皮が乾燥してフケが出て頭皮を塞ぐ原因になってしまうのです。
3・毎日シャンプーをする事で頭皮が詰まる
シャンプーの歴史でも話した通り私達人間は毎日シャンプーしなくても大丈夫なのです。
もちろんスタイリング剤などを使用した場合には必ずシャンプーは必要ですが何も使用していない場合はあまり必要がありません。
ですが、もう毎日シャンプーしている場合は人間の適応力でその分頭皮から皮脂の油を分泌してしまうのです。
毎日皮脂の油がなくなれば私達人間の頭皮はなくなった分の油を分泌使用とします。ですから毎日シャンプーしていた方が急にシャンプーをしなくなると頭皮の油が多くなりすぎて毛穴を塞ぐ原因になります。
これを改善するために最近ではノー・プーと言うシャンプーをしないスタイルが徐々に流行って来ているのが現状です。
参考:正しい地肌の頭皮ケア方法
4・生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れや食生活の乱れで自律神経が乱れホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌量が多くなったり肌のターンオーバーが崩れたりします。
そうなると毛穴が詰まるだけでなく髪の毛が伸びなくなったりちょっとした事でアレルギーを起こしたりするのです。
これは頭皮だけでなく肌にも起こるこのなので一番気を付けなければいけない事かもしれませんね。
シリコンシャンプーとノンシリコンシャンプー
ここまでお話してきたとおりシリコンシャンプーは頭皮を塞ぐ要因は洗い流し足りていない事しか当てはまりません。
先ほどもお話したとおり私達のお肌は毎日ターンオーバーをしているのでふさがるという事は極めて少ないのです。
ではどういった方にノンシリコンシャンプーやシリコンシャンプーがいいのか簡単にまとめると以下の通りです。
シリコンシャンプー | ノンシリコンシャンプー |
ダメージが多い方 | ダメージが少ない方 |
ツルツルしたい方 | サラサラにしたい方 |
シリコンシャンプー・まとめ
シリコンもノンシリコンも悪ではありません。
シリコンも最近はとても優秀になって適度に髪の毛に必要になってきます。
またノンシリコンシャンプーでもしっとりツルツルするものもありますし逆にノンシリコンでもシリコンが入っていないだけでコーティング剤が入っているという事を知ってください。
頭皮に良い悪いはシャンプーの洗浄成分と配合される成分に関係するのです。